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「アラフォー会社員が死ぬほど忙しい」のは日本企業の特殊な人事制度が原因

 誰もがふと口にする「死ぬほど忙しい」というセリフ。単なる挨拶代りのこともあれば、実際に過労死寸前という場合もある。週刊SPA!が35~45歳の男性サラリーマン1979人を対象にアンケートを取ると、実に8割以上が忙しさを実感していることが判明。では、なぜこんなにもアラフォー会社員は激務を強いられるのか?

死ぬほど忙しい

「終業時刻後に管理職がブラリと視察に来て『まだ居残ってる奴がいるじゃないか!』とチクチク言ってくるんです」(田中さん)

かつての「窓際族」が「逃げ切り族」として羨望される現代。
特殊な企業体質が生み出す“激務”の構造を解き明かす


「5年前から社長提案で残業削減運動が始まり、非管理職の部下はほぼ定時で帰るようになりました。ただ、そのしわ寄せが中間管理職に集中して……。経理処理やら仕事が山積みになる決算月は、休日を全部返上して、月の労働時間は300時間を超えました。しかも、若手に残業を命じられないので、重要な仕事を任せることができず、まったく育たない。この状況がいつまで続くのかと思うと、心底憂鬱になります」(田中健吾さん・仮名・42歳・流通)

 とりわけアラフォー世代が背負わされる過重な業務。その原因は、「日本企業の特殊な人事制度にある」と人事コンサルタントの城繁幸氏は指摘する。

「海外では『職務給』といって、仕事に値札がついている。同じ仕事なら20代がやっても50代がやっても給料は一緒で、業務内容も細分化・明確化されている。一方、日本企業は『属人給』といって、個人に値札がついているんです。つまり、大卒かどうかや勤続年数で給料が決まり、その個人が何の仕事をするかは明確化されていない。業務内容が曖昧であれば、効率化は難しく、おのずと誰かが穴埋めをしなくてはなりません」

 加えて、「業務が広範になるほど社畜化しやすい環境になる」とは組織人事ストラテジストの新井規夫氏。

「専門性が育たないので市場価値が高まらず、企業も中途採用に消極的。結果、労働力が非流動的で固定化するので、雇用契約がそのまま隷属的な身分制度になってしまうのです」

 この「労働力の非流動性」は“解雇されにくい”という盾にもなるわけだが、アラフォー世代にとっては、歓迎できる話ではない。

「解雇されにくいがゆえに、バブル世代である40代後半以上がだぶついています。彼らの多くは生産性以上の給料を得る。しかし、企業の人件費のパイは一定なので、働き盛りのアラフォー世代が給料以上の生産性を要求されるのです」(新井氏)

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長時間働くことが会社に尽くした証

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