更新日:2017年08月31日 12:39
仕事

「アラフォー会社員が死ぬほど忙しい」のは日本企業の特殊な人事制度が原因

長時間働くことが会社に尽くした証

 「属人給」という特殊な人事制度によって、社内報の作成と10億の案件を取り続ける人間が同じ給料というのが日本企業の特徴。 「評価の目安が業務内容ではなく『どれだけ会社に尽くしたか?』となれば、アリバイづくりの無駄な仕事も増えるし、わかりやすい自己表明として長時間労働合戦にもなりやすい」(城氏)
「アラフォー会社員が死ぬほど忙しいのは、日本企業の特殊な人事制度が原因」と識者が断言

「あれで自分より給料が高いんだからやりきれない。『そこを目指せ』と言われても、モチベーションになりません」(葛西さん)

 その典型例が、老舗電気メーカーに勤める葛西弘明さん(仮名・41歳)の怒りだ。 「50代以上が完全に余っていて、“名誉部長”の揃い踏み状態。昨年末、取引先へのお歳暮のリストを総務部に送ったら、ある名誉部長から『そういう案件は俺を通さないと困る。稟議書を出せ』とのお達し。年末でただでさえ忙しいのに余計な仕事増やすなって、内心ぶちギレでしたよ」  “逃げ切り世代”に仕事を増やされ、かといって自分たちが逃げ切れるわけでもなし……。 「そもそもアラフォー世代が置かれるプレーイングマネジャーという立場が、本来ならば非常事態。プレーヤーとマネジャーの業務はまったく別であり、『どっちもやれ』と社内の帳尻合わせに都合よく利用されているにすぎない」(新井氏)  果たして不遇のアラフォー世代の激務が報われる日は来るのだろうか? 【新井規夫氏】 組織人事ストラテジスト。大手ホテル、ベンチャー2社、慶応大学MBA、楽天の人材戦略室長などを経て、‘14年に独立。みぜん合同会社CEOとして活動中 【城 繁幸氏】 人事コンサルタント。キャリアデザインを中心としたコンサルティング、執筆を手掛ける。近著に『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
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