更新日:2022年08月14日 11:36
エンタメ

ユウキロック『M-1グランプリ2016』全ネタレビュー 「スーパーマラドーナと和牛がかわいそうに思えた」

⑥ハライチ
もう最後!ユウキロック「M-1」全ネタレビュー

ハライチ(2005年結成/ワタナベエンターテインメント)

 今回も「ハライチ」は漫才スタイルを変えてきた。今回は岩井君が自ら作ったRPGを澤部君が体験するというネタである。その過程で澤部君がツッコむのだが、ツッコむことによってどんどん良からぬ方向へと進んでいくのだ。澤部君は万能だが、今回のネタはさらに澤部君を光らせた。澤部君を困らせると、ここまで光るということを岩井君はよく理解している。得点446点。面白いネタだったが、思うほど得点が伸びなかった。来年、「ハライチ」はどんなネタを持ってくるのか? まだカードは残っている。ネタを作っている岩井君に言いたい。俺は岩井君の感情が爆発している「ハライチ」の漫才が見たい。そこに絡んでいく澤部君を見たい。 ⑦スーパーマラドーナ
もう最後!ユウキロック「M-1」全ネタレビュー

スーパーマラドーナ(2003年結成/よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)

 「エレベーターに閉じ込められる」という設定で、エレベーター内で「終始キリッとしてました」というネタ振りを残して田中君の再現は始まった。再現を続けながらボケる田中君。ツッコミながらも要所で「キリッとしている」を言い、振りを忘れさせない武智君。最後、エレベーターに乗り合わせていたのは3人と判明。田中君が演じていたのは「武田」という男で、その光景をキリッとした顔で眺めていたのが田中君だった。まるで乾くるみの小説『イニシエーション・ラブ』を見たような結末とキリッとした田中くんに大爆笑で漫才を終えた。完璧な構成と結末に圧巻だったが、前半のボケがわかりにくいものもあり、まさしく松本さんの言う「しんどい」状態だった。終わりよければ、すべて良しとはいかないのが、プロの審査員の目である。得点459点。第3位で最終決戦へ進出する。
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さらば青春の光、和牛の振り返り
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

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