更新日:2022年08月28日 09:27
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秋葉原駅「爆弾」騒ぎ、寺社「油被害」事件は大規模テロの予行練習か【評論家・江崎道朗】

【江崎道朗のネットブリーフィング 第11回】 トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!

明治神宮「油被害」事件の容疑者は、朝鮮系中国人

江崎道朗

江崎道朗(撮影/山川修一)

 爆弾が仕掛けられているらしいぞ――4月23日午前11時頃、東京・秋葉原駅に着いたら、ツインアームの爆弾処理特殊車両が東京・秋葉原駅に横付けされ、警察官が駅の改札口を封鎖していた。  電脳アイドルとして名を馳せた千葉麗子さんの新刊『ママは愛国』(KKベストセラーズ)発売イベントに参加しようと思って秋葉原に来たのだが、北朝鮮のミサイル危機で緊張が高まっていた時期でもあり、北朝鮮によるテロかと一瞬、身構えてしまった。  秋葉原駅構内にある多目的トイレの棚の下に乾電池やモーター、リード線などが入った透明なプラスチックケースが粘着テープで取り付けられていたため、爆発物かと大騒ぎになったのだ。実際は手をかざすと自動で開閉するごみ箱の一部であった。その目的、犯人はいまのところ不明だ。  5月1日未明には、今度は渋谷駅の山手線ホームに、大量の「うんこ」が散乱する事件があった。日曜日の深夜だったため、目撃者は少なかったようだが、「うんこ」が30個近く落ちていたという。1個なら誰かの粗相ということもあるだろうが、30個となるとなんらかの意図があると思われるが、なんともおかしな事件だ。  おかしな事件と言えば、ここ数年、全国の神社や重要文化財などに油などの液体が撒かれ、汚損される事件が相次いでいる。  4月3日には、明治神宮の鳥居や門など4地点15か所に油のような液体が散布された。産経新聞などによれば、犯人は朝鮮族の中国籍の女2人で、油のような液体を散布した容疑ですでに日本から出国していた2人に逮捕状が出された。  警視庁捜査1課によると、2人は中国・吉林省出身。3月27日に中国・上海から那覇空港に入国し、30日に那覇空港から空路で伊丹空港に移動。4月1日には新幹線で東京に入り、4日午前1時半に羽田空港から上海に帰国したという。  なぜ、そんなことをしたのか。飛行機代だけでも馬鹿にならない金額を使っているのだ。神社に対する嫌がらせにしても、液体を撒いてどうしようというのか。
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大規模テロの予行演習か
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

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 ’17年、トランプ米大統領は中国を競争相手とみなす「国家安全保障戦略」を策定し、中国に貿易戦争を仕掛けた。日本は「米中対立」の狭間にありながら、明確な戦略を持ち合わせていない。そもそも中国を「脅威」だと明言すらしていないのだ。

 日本の経済安全保障を確立するためには、国際情勢を正確に分析し、時代に即した戦略立案が喫緊の課題である。江崎氏の最新刊『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』は、公刊情報を読み解くことで日本のあるべき「対中戦略」「経済安全保障」について独自の視座を提供している。江崎氏の正鵠を射た分析で、インテリジェンスに関する実践的な入門書として必読の一冊と言えよう。

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