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オリックス失速、優勝は楽天か。前半戦データから紐解くパリーグ優勝候補

ソフトバンクは同一カード25試合目が大事か

 さらに厄介なのは、整数化した場合である。66.97勝なんていう小数点での勝利数は現実ではあり得ない。一応先に整数化した場合の最終想定順位はこうだ。 (整数化の例)楽天の対オリックス 8.93勝10.7負5.36分⇒9勝11負5分 <最終想定順位(整数編)>        勝 負 分 勝率 楽天     68 57 18 0.544 ロッテ    64 56 23 0.533 オリックス  65 59 19 0.524 ソフトバンク 62 58 23 0.516 西武     55 65 23 0.458 日本ハム   52 72 19 0.419  整数化する前と順位は変わらないのだが、問題なのは按分がうまくできない対戦成績のカードがソフトバンクに多い点だ。例えばソフトバンクは対西武を前半戦5勝8負2分。これを25試合対戦した場合に増幅させると8.33勝13.33敗3.33分となり、0.33ずつとなった結果をどこかに割り振らないといけないことになってしまった。(一応この場合は一番勝率を動かしづらい引き分けに按分している)  ソフトバンクは対日本ハムでも負けと引き分けで同様の問題が起きている(負けと引き分けの按分のため引き分けにしている)。下位2球団に対して対戦成績をほんのわずかに良くするだけでさらに差は詰まることになる。もし先ほどの対西武との按分を引き分けではなく勝ちにすると ソフトバンク 63 58 22 0.521  となり、もうオリックスの0.524とは3厘差だ。この計算結果と現実を比較すればチームが後半戦に奮起したかどうかがわかると考え算出したのだが、パ・リーグの場合は「大混戦」であることを象徴する数字だといっていいだろう。

5位西武も全然「ある」

 そして対戦実績が極端な西武もまだ可能性がある。オリックスと楽天には前半戦ボコボコにされてしまっていたが、ロッテとソフトバンクには割と勝ち越している。この状況を後半戦に大きく変えてしまうと、全てのバランスが崩れる「後半戦のカギ」となる球団になっているといっていいだろう。  序盤に大量の怪我人が出た影響を考えると、後半戦を普通に戦えた場合は脅威だ。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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