更新日:2021年12月26日 11:45
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<有馬記念>競馬の鉄人3人が注目する本命&穴馬、レース傾向を徹底解説

大逃げは競馬の醍醐味

 ラストは馬券攻略誌『競馬王』の元編集長・松縄隆史氏だ。松縄氏は競馬における最大の面白さ「大逃げ」に着目し、前々決着だった場合の有馬記念を想定した大穴決着を狙える穴馬が登場。その大波乱ストーリーとは?  大逃げとは、脚をためながら後続を引きつけるのではなく、前半から飛ばして後続を引き離した形での逃げのこと。玉砕覚悟の作戦であることが多く、実際、馬群に飲み込まれるのが大半ですが、それだけに決まった時は大波乱となります。  2009年のエリザベス女王杯では、クィーンスプマンテとテイエムプリキュアの2頭が3番手以下を大きく引き離した逃げを打ち、断然人気のブエナビスタを完封するワンツーフィニッシュ。3連単配当は150万円を超えました。  有馬記念の大逃げで思い出されるのは1992年です。トウカイテイオー、ライスシャワー、ヒシマサルといった実力馬が後方に控えるのを尻目に大逃げを打った15番人気のメジロパーマーが、そのままレガシーワールドをハナ差抑えて逃げ切り勝ち。3〜4コーナーに差し掛かっても後続が迫ってこない時の高揚感、これは大逃げ馬を狙った者だけの特権でしょう。  個人的な記憶としては、「メジロパーマーの前残りを狙う」と言って家を出た父が、日和ってトウカイテイオー軸に変更して、レース後に呆然とテレビ画面を眺めていた光景が思い出されます。
松縄隆史

松縄隆史(まつなわたかし)/馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライター

今年は「行った行った」が決まる!?

 今年の有馬記念、私はパンサラッサの大逃げに期待します。前走の福島記念は、前半1000m通過が57.3秒という超ハイペースを刻む、まさに肉を切らせて骨を断つ走りで逃げ切り勝ち。もともと同馬は不良馬場で行われた未勝利戦で後続に2.5秒差の圧勝を収めているパワー自慢で、無尽蔵のスタミナは母の父モンジューに由来するのでしょう。逃げたら、少々、速いペースでも簡単には止まりません。  ここは菊花賞馬タイトルホルダーとのハナ争いが想定されますが、福島記念のハイペース逃げを見せつけた後だけに、タイトルホルダーが無理に競りかける可能性は低いとみます。  ただ、タイトルホルダーもスタミナに自信を持つタイプなので、2頭で後続を引き離す形になれば、2009年のエリザベス女王杯のような「行った行った」の再現も十分。コロナ禍で大声を出すのも憚られた2021年。ステイホームの自宅観戦で、テレビに向かって「そのまま!」と叫びたいですね。 ◎パンサラッサ ○タイトルホルダー  3者とも見事に取り上げる馬が割れた今年の有馬記念となったが、それだけ面白い一戦になったのは間違いないだろう。みんなが注目する年末大一番、あなたは誰を参考にする? 構成/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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