働きたくない専業主婦、家計を把握できず年収900万円で生活苦に
―[[中年破産]の危機]―
昨今、高齢者の貧困化が社会問題になっているが、それより深刻なのは「中年破産」の危機である。そこで、40歳から55歳までの家計が厳しいという男女200人にアンケートを取ったところ、原因の1位は「収入・ボーナスが少ない」で、121人という結果に。次いで「子供の教育費が高い」(46人)、「住宅ローンや家賃の負担が大きい」(42人)と続き、ほかに保険料や通信費などの固定費を原因に挙げる人が多かった。9割もが中年破産の危機に直面している実態とは?
◆夫婦ともに支出を把握せず。使途不明金が月10万円以上で大赤字
~金子理恵さん(仮名・37歳)/主婦/夫の年収900万円~
月収50万円に対し支出が60万円と、毎月10万円の赤字を出し続けている金子理恵さん。支出の内訳を聞くと、「家計簿をつけていないので全然把握できてないんです」との答えが。あやふやな記憶をもとに出した収支が下記で、計算していくと毎月使途不明金が10万円あり、そのなかに1泊5万円の旅行や数万円する家具、幼稚園のイベント参加費など、判明している臨時出費も含まれるが、そのほかは何に使ったか不明なまま。聞けば、夫婦ともに共通の銀行カードを持ち、不足すれば引き出す生活。夫の小遣いも知らないとか。
▼収入……50万円
夫の手取り月収……50万円
▼支出……60万円
住宅ローン……15万円
車のローン、維持費……7万円
水道光熱費……1万5000円
通信費……2万円
保険……2万5000円
幼稚園……3万円
学習塾代・習い事……2万2000円
ママ友との交際費……3000円
自分の服……5000円
子供服……2万円
おむつ代……月4000円
医療費……持病で毎月1万円
食費……4万円程度
外食費……3万円程度
夫の小遣い、使途不明金……約15万円
▼収支……-10万円
「以前はお小遣い制にしてましたが、昼食代などの線引きが難しく、今は完全になあなあ。夫の服はたまにユニクロを、趣味のパソコンの部品も時々買うくらいで質素なんです。週2回の飲み代もそんなにかかってないと思うんです」
「削るなら土日の外食ですね。4人で一回3000円しますから。あと、毎月5000円くらい買う自分の服かな」
教育費の貯金は必須だがボーナスは赤字の補填で消え、現在の預貯金残高は30万円程度。
「長男の学習塾と習い事、それと私立中学を受験するので、今後は学費がかさむでしょうね。下の子にはダンスを習わせたいんです。子供たちにはお金をかけたいですね。昔から専業主婦に憧れてきたので、働くくらいなら節約します。それでも無理なら親を頼ろうかな」
月収50万円あっても、これでは家計が厳しいのも無理もない!?
<藤川太氏のチェック!!>
車と住宅費だけで収入の4割を占めていますが、これを2割に。外食を減らす程度では焼け石に水です。働きたくないなら車を売るなどしないと家計はよみがえりません。
【藤川太氏】
家計の見直し相談センター代表。2万世帯の家計を診断。著書『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など
※写真はイメージです
― [中年破産]の危機 ―
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