大盛り論

 渋谷で見つけた

ナポリタンミートソースしか出さない

某スパゲティー屋さんに行った。

 大盛りは無料でサービス

してくれる良心的なお店である。

 食玩で、
大盛り・普通盛り・小盛り
のサンプルを示していて、

大盛りは、けっこうな
てんこ盛りだったが、
お昼時、猛烈に腹が減っていたので、
思い切って大盛りのナポリタンを注文し、
さらにハンバーグ目玉焼き
トッピングした。

 私は、

ラーメンは大盛りにすると、
汁と麺と具の理想のバランスが崩れ、
味が落ちるので、どんなに空腹でも
かならず普通盛りで我慢して、
足りないぶんは餃子や半チャーハンなどの
サイドメニューで補う派

なんだが、

カレーライスならライス大盛りにしても、
とんかつとライスや盛りそばとつけ汁の関係のように
自分でルーを調節できるので大丈夫

だし、

ナポリタンも基本的には
全面同じ味を絡めた料理なので
たぶん平気だろう

と判断したのだ。

 ところが、これが
予想をはるかに越えてキツかった。

 麺の量が600g!

ってのが、まず半端じゃない。

 あと、

昔の喫茶店のナポリタン
再現したような懐かしい味で
なかなかに

「美味し!」

なのだが、

全面同じ味を絡めている

がゆえに、10口くらい食べると
どうしても飽きてしまう。

 ただ、私のポリシーとして、

せっかく好意で大盛りを
無料にしてくれるのに、
それを食べ残してしまうのは、
お店に対して失礼

という思いがあるので、
ハンバーグと目玉焼きをおかず代わり
水を3杯も4杯も飲みながら、
どうにか完食した。

 当然、その日の夜は
なにも食べることができず、
次の朝は胸焼けが残り、
体重が1kg増えていて、
結局、体調を通常に取り戻すのに
約3日を要してしまったわけだが、

せっかくお店側が
丹精込めてつくってくれた
美味しい料理を食べることが、
自分の「どうせタダだから」という
よくばり根性だけで

胃に流し入れるだけの作業

と化してしまうのは

とても罪深い行為だと反省した。

 やはり、食事もセックスも

腹八分目

が一番、ということだ。

 もう50歳

大盛り!

なんだから……。

2012.03.19 |  2件のコメント

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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