山田ゴメスの俺の恋を笑うな
魚食男子or女子
小学生のとき、月に一度のビフテキが、すごくうれしかった。
私が小さい頃、肉はごちそうだった。なかでも牛肉は食卓の王様だった(何かのお祝いは必ずすき焼きだった)。
ところが今はどうだ。
焼き肉屋と値段もさして変わらないセレブリティーな焼き鳥屋が繁盛し、予算上の都合というよりは栄養だのカロリーだのを重視して、あえて豚しゃぶをチョイスする。
牛肉神話の崩壊。それどころか、今日は魚がいいよね、と小洒落た居酒屋でしっぽりとお行儀の良いデートを満喫する……。
昨日おとといと、スケジュールの都合で夜の食事を兼ねた打ち合わせが二日続き、そのどっちもが焼き肉だった。
正直、二日目はキツかった。「もう肉は食べたくない」と次の日思った。
単に年のせいかもしれない。しかし一方で、私たち日本人の味覚や嗜好がギトギトの肉を遠ざけてはじめている、ような気もする。
日本に本格的な肉食文化が根づいたのは、明治時代からだと聞く。
年数にすればたかだか200年足らず。一説によると、我々日本人には、まだ肉食という文化が馴染みきっていないとも言われている。
かといって、明治にいたるまでの日本人が完全な草食=ベジタリアンだったのかと言えば、そういうわけではない。
たしかに、仏教伝来以降、獣肉は敬遠されていたものの、狩猟で得たイノシシや鹿の肉は日本人にとって貴重なタンパク質だったわけだし、なにより魚を食べる知恵と工夫は世界一クラスの洗練度を誇っている。魚食メインの食生活が日本人の本来の姿であって、しかも現在、私たちのベクトルは確実に本来へと回帰しているフシがある。
そこで、このブログでもさんざん使いたおしてきた肉食・草食という、セックスに対する執着度のランク分け。
私は、あいだに魚食がないのがとても不満だ。
魚食男子に魚食女子!
開国と明治維新によって、無理矢理押しつけられた肉食という外来の価値観を突っぱねきることができなかった日本人—-積極性には欠けるが、強引にせまられたら拒めない……まさにセックスに関しても、ベジタリアンよりは、そういう感じの魚食男子と女子(とくに男子)が増えている、というのが今の日本の正確な現状なのではないか?
流行ってくれないかな? 魚食男子(女子)……。でも、たぶん無理と思う。
なぜなら、いつもちまたに出回るのは、肉と草オンリーの、もしくはドS・ドMのような、白黒だけで遊ぶカードゲームばかりなのだから。しゃあしゃあとグレーのカードを差し出したところで、ゲームを複雑にするだけの邪魔モノとして、ルール違反のレッテルを張られるのが関の山。
だが、そんな単純明快で安易な二元論が、人間の思考に必要な持久力を静かに削ぎ落としているのも、また事実なのである。
ビフテキ。ステーキより「ビフテキ」という響きのほうがご馳走感は満点。ちなみに私の小さい頃は、当時鶏肉や豚肉より安かったクジラの肉を「ビフテキやで」と、よく母に言い聞かされていた。
僕は確実に魚食系です!
実家が魚屋でもあるので、間違いない!
ボクの実家は魚屋ではありませんが、「好きな食べ物は?」と訊ねられたら、「かつお」と必ず答えます!(ゴ)