ゲーノージン

 テレビで

芸能人

という括りを聞くと、
気分が悪くなってくる。

「芸能人対抗」だとか
「芸能人番付」だとか
「○○が一番××な芸能人は?」とか

いったやつだ。

 一言で芸能人といっても
いろんなタイプや職種や偏差値の人が
いるのはわかっているが、

そんな狭いカテゴリーの中で
競い合ったりじゃれ合ったりして
どーするの?

つい、そう難癖をつけてしまいたくなるのだ。

銀行員対抗
札勘(定)競争

と一緒ではないか?

 それはそれで
観てみたいような気もするけど、
たぶん、3回も観たら飽きちゃうだろう。

 でも、
芸能人はそういうことを
公共の電波を使って、
何度も何度も
繰り返しているのだ。

 芸能人が芸能人に
クイズなどを出して、
最優秀回答者に
賞金100万円や
温泉旅行や
リッチな食材なんか

をプレゼントするケースも
げんなりする。

 歌舞伎町でキャバ嬢が稼いだ金を
歌舞伎町のホストに貢ぎ、
その上がりを元締めが搾取する

のと一緒ではないか?

 もう、芸能人はお腹いっぱいだ。

 『さんまのSUPERからくりTV』みたいな
確信犯的なものじゃなく、
在りし日の『アップダウンクイズ』みたいに、
もっと普段テレビとはまったく無縁な

真にとんちんかんな素人

が、私は観たいのである。

 もはや、
そういう人たちを
目の当たりにできる番組は、
ざっと見渡すかぎり、

『NHKのど自慢』

くらいしか思いつかないのが、
残念なかぎりだ……。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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