更新日:2017年09月29日 12:56
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「給食だけが唯一のまともな食事」という子どもが増えている…“学校給食の中止”はなぜ誤った判断なのか

給食費を「払わない」保護者と「払えない」保護者

 さらに、「予算内で給食の食材を確保するのが難しい」という鈴鹿市教育委員会の判断の背景には、一部の保護者による給食費未納の問題が関係しているとも考えられる。裕福な家庭であっても給食費を「払わない」のか、貧困家庭でやむを得ず給食費を「払えない」のか、その線引きはなかなか難しいだろう。  昨年6月には、学校給食費を「払えるのに払わない」とみられる未納が相次ぎ、埼玉県北本市立の中学校4校が、3か月未納が続いた場合は給食を提供しないことを決めた。未納額が膨らんだことによる苦肉の策だが、各家庭に通知したところ、該当する保護者43人のうち40人の保護者が納付の意思を示したという報道があった。こうした、給食費を「払えるのに払わない」保護者が多く存在することは問題だが、「払えない」保護者の未納によって子どもの給食が停止されてしまっては、周囲の子どもからいじめに遭う可能性があることも否めない。  今回は撤回の考えが示された。学校給食が最後の砦になっている子どもがいる、ということを決して忘れてはいけないだろう。 <取材・文/北村篤裕>
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子どもの貧困連鎖

現代社会に隠された真実を暴く衝撃のノンフィクション

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