更新日:2020年06月10日 22:15
仕事

年収180万・日雇い生活する42歳のリアル「ブラック正社員よりはマシ…」

5年連続で上昇している日本人の平均年収は420万円(’16年国税庁統計)だが、非正規雇用に限れば170万円まで落ち込む。もはや珍しくない年収100万円生活者の日常に密着。限界の生活を余儀なくされる人々の、その知られざる苦境とは?

突然のリストラで失職。リーマンショックに奪われた安定生活

並木さん

狭い部屋ながら片付いた印象だった。仕事のとき以外はほぼベッドの上で時間を過ごす。ベッドが部屋の大半を占めている

●並木大輔さん(仮名・42歳) 年収180万円/鉄道関連会社日雇い  都内の私大を卒業し、鉄道関連の工事会社に入社した並木大輔さん(仮名・42歳)。7年間勤務した後、30歳で鉄道の信号などを製造する大手企業に転職を果たす。だが、年収500万円を超え順風満帆かに見えた並木さんの人生は、33歳のとき、突然狂い始める。 「ある日突然部長に呼び出されて、『申し訳ないが来月いっぱいでお願いしたい』と。リーマンショックの影響によるリストラでした。若手だったし、まさか自分がクビになるとは思っていなかったので参りましたよ」  その後は失業保険とアルバイトで食いつなぎ再就職先を探したものの、リーマン直後ということもあり、条件のいい求人はほとんどなかった。半年後、ようやく見つけた通信関係の会社に就職。無事正社員に戻れたのはよかったものの、待遇は以前の会社とは比較にならなかった。 「零細企業だったので年収は前の会社の半分以下で、手取りで200万円ほどでした。何となく予想してはいたのですが、当時は正社員の募集自体がほとんどなかったので、藁にもすがる思いで入社して……。ですがその後も給料が上がる見込みはなかったので、1年半で退職しました」  その後も正社員での転職を目指した並木さんだったが、なかなか条件に見合う企業は見つからない。 「バイトと同程度の給料で正社員をするくらいならむしろ時間通りに仕事が終わるバイトのほうがマシだ」と考え、人材派遣会社に登録し、現在は日々工事現場の搬入などをして生計を立てている。
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1時間半以内の現場には自転車で向かう…
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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