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32歳で年収140万円フリーターの転落人生「父の蒸発で大学進学を断念、就職先も倒産して…」

5年連続で上昇している日本人の平均年収は420万円(’16年国税庁統計)だが、非正規雇用に限れば170万円まで落ち込む。もはや珍しくない年収100万円生活者の日常に密着。限界の生活を余儀なくされる人々の、その知られざる苦境とは?

父の蒸発で進学を断念、就職先も経営破綻に。2度の転落で人生を達観

白川さん

洋服はブランド品の格安のパチモノが多いという白川さん。趣味はラジオなどカネのかからないものばかりで貯金は30万円ほどある

●白川貴文さん(仮名・32歳) 年収140万円/不動産会社フリーター  高校は都内の進学校で中央大学にストレート合格。しかし、思いもよらぬ落とし穴が待っていた。 「父が入学金を持って蒸発し、進学できなくなったんです」  そう話すのは都内で家賃5万円のアパートで暮らすフリーターの白川貴文さん(仮名・32歳)。高校卒業後は不動産会社に就職したが、経営不振で入社6年で倒産。それでもまだ24歳、再び正社員を目指すこともできたと思うが……。 「父親が蒸発した理由もリストラ。僕自身も会社勤めへの不信感が強まったことで、もういいかなって。目に見えるものを売り、時給で確実にお金がもらえるコンビニやスーパーで働くようになりました」  現在働くスーパーでは夕方からの遅番勤務で、11時頃に起床。13時には外出し、アイスコーヒーが216円と安いサンマルクカフェへ。そこで朝昼兼用のパンを食べながら、図書館で借りたミステリー小説を読むのが楽しみだという。
白川さん

夕食の冷凍食品を働くスーパーで購入。300円、700gのチャーハンを社割で購入。これが2日分の夕食に

「外食は吉野家などスマホのクーポンで割引の店だけ利用します。夜は冷凍食品が多く、自社スーパーのクレジットカードと社割を使い、10%引きで買っています」
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娯楽もカネのかからないものを楽しむ
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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