仕事も家族も同時に失った「若年性認知症」の恐怖 30代の発症例も多数
そして40歳をすぎた頃から、会社ではミーティングの時間を忘れたり、プライベートでは家族と約束した待ち合わせ場所に行けなくなったり、それまでは絶対になかったミスが続くようになった。そこで病院で診てもらうと、アルツハイマー病による認知症との診断を受けたのだ。
「会社の上司に認知症のことを告げると、『もう休んでいいよ』と言われました。まるで『もう辞めていいよ』と言われているようで、すごくショックでしたね」
企業は、認知症を理由にクビにはできないため、現在休職扱いになっている太田さん。さらに追い打ちをかけるように、妻は介護どころか離婚を切り出したという。
「元妻からは、『娘には一切連絡もせず、会わないでほしい』と言われました。妻子と住んでいた家は追い出され、生活保護をもらってアパートで一人暮らしです。今は本を読んだりネットを見たりして、のんびり過ごしています。つらかった会社員時代のことを思い出さずに過ごせればよく、将来は田舎の実家に帰る予定です」
つらい過去の記憶は、忘れたくても忘れられないようだ。
若い人だと自分が認知症だと疑いを持ちにくいため、若年性認知症は早期発見が難しいと言われている。また、認知症と診断されていなくても兆候が出ていると仕事に支障をきたすようになり、経済面で大きな問題が発生しがち。ほかにも、介護保険や障害年金などの公的なセーフティネットもあるが、決して完璧とは言えず、若年性ゆえの問題が山積している。
6月13日発売の週刊SPA!では、「30代から始まる[若年性 痴呆症になる人]のヤバい兆候」という特集を掲載している。若年性認知症では、早期発見と周囲のサポートによって進行を遅らせることが何より大切だが、現代の“無縁社会化”はその希望すら打ち消しつつある。発症した人たちは、どんな兆候があり、現在どのような暮らしを送っているのか。また、予防法は? 物忘れが気になる人はぜひ参考にしてほしい。<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
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