外国人観光客の“SEX爆買い”が増えている理由とは?
今、日本の風俗店に外国人観光客が殺到している。日本流の手厚い“おもてなし”が評判を呼び、多くの外国人が利用している。とくにその中でも利用者が多いとされているのが、いわゆる“爆買い”で注目を集める中国人観光客だ。
中国事情に詳しいフリーライターの奥窪優木氏は、中国人の”性の爆買い”をこう分析する。
「習近平政権下の中国では、性風俗の取り締まりが強化されていて、価格は上がり質は下がるという状況にあります。また中国の法律では、摘発の際に居合わせれば客も拘束されてしまうので『だったら日本で安全に遊ぼう』という中国人はこれからも増えるでしょう」
40年前から外国人客を受け入れてきた吉原の老舗ソープランド・金瓶梅の西村尚也社長は、外国人客の変遷をこう振り返る。
「昔は、ハリウッド俳優や大リーガーなどの著名人が主な外国人の客層でしたが、近年は普通の旅行者がぐんと増えて、客の15%を外国人が占めるまでになった。そのうちの8割超が中国人。ウチは、店名が中国の官能小説のタイトルなので、親しみがあるようです。韓国やインドなどアジア系、それに白人のお客さんも増えていますよ」
外国人客層が増えた背景を、店側の都合から読み解くのは風俗情報誌『俺の旅』の生駒明編集長。
「業界の景気は、チェーン店化を進める大手でボチボチ、中小は苦戦しており、若年層の風俗離れで全体のパイが小さくなっている……外国人客は助かる存在なのです。一方、外国人客にすれば、日本の風俗嬢の性的なおもてなしは非常に魅力的。それに、外国人から見れば、日本女性は大人しくて従順。中国などは共産主義の国だから、サービスの概念に乏しく、風俗嬢のほうが偉そうにしているくらいです(笑)。東京五輪に向けて来日する外国人は増えるだろうし、今後、表向きは『外国人OK』という看板は掲げないものの、実質OKという店が増えるでしょう」
’14年の日本のインバウンド消費は2兆305億円。少なく見積もっても、SEXツーリズムに相当な額のカネが落ちているのは間違いない。だが、東洋大学国際地域学部国際観光学科の島川崇准教授は、警鐘を鳴らす。
「’70年代、日本人は東南アジアに買春ツアーに出掛け、世界から顰蹙を買いました。だが、アジアでのSEXツーリズムの逮捕者の内訳は、1位がアメリカ人、2位がドイツ人で、日本人は6位……つまり、あたかも日本人だけが悪者のような印象を植えつけられたのです。情報発信が拙い日本が、SEXツーリズムの目的地として注目を集めれば、かつての二の舞いになりかねないです。国策として推し進めるなどありえません。ニーズがある以上、経済規模は拡大するかもしれませんが、地下化は避けられないでしょう」
【生駒 明氏】
『俺の旅』編集長。風俗情報誌『俺の旅』(ミリオン出版)編集長。国内外のあらゆる風俗に精通する。自腹を切った覆面取材による風俗ルポに定評がある
【島川 崇氏】
東洋大学准教授。東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授。日本航空、松下政経塾などを経て現職。『旅行業概論』(共著・同友館)など、著書多数
※2/16発売の週刊SPA!では「[爆買いSEX]ルポ」という特集を掲載中
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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