更新日:2022年08月30日 23:53
カーライフ

国道29号はどこにあるのか? 往復約1500km独り占めのクルマ旅

国道1号線は、東京都中央区を起点に大阪府大阪市北区を終点とする700kmを超える一般道。で、国道20号線が同じく東京都中央区から長野県塩尻市だったので、てっきり国道29号線も東京からどっかまでの国道かな?と思って企画したのが安易でした。とはいえ、決めたからには行くしかない! 今年は気合を入れて二輪駆動(にく)で出撃しました 国道29号線MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

創刊29周年特別地味企画

「週刊SPA!は今年創刊29周年なんですよ。なので当連載も“29”にちなんだ内容にしたいんで、国道29号線でも走ってきてもらえませんか?」(担当K)  国道29号線。それはいったいどこを通っているのか。国道20号線(甲州街道)くらいまでなら知っているが、29号線はぜんぜん知らない。調べたら、姫路(兵庫県)から鳥取(鳥取県)までのいかにも地味そうな118kmだった。  創刊29周年だから国道29号線を走破せよ。何の意味もないところがとってもステキやんけ。ということで、二駆(にく)のマツダCX-5で出かけて来ました。 ※【国道29号線】 姫路市で国道2号線、鳥取市で国道9号線に接続する国道29号線は、兵庫県側では因幡街道、鳥取県側では若桜街道や播州街道と呼ばれていて、古くから播磨-因幡間の交通の要衝でした。現在のルートになったのは明治19年のこと。日本にはこうした国道が507号線まであります。ちなみに国道507号線は沖縄県糸満市と那覇市の間。創刊507周年までは、この企画ができますな、ワッハッハ(もう引退してるけど) ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1347424
姫路城

姫路城

 スタート地点は姫路城。平成の大修理で真っ白によみがえった姿は、白すぎてニセモノっぽいという声もあるが十分神々しい。  姫路の市街地を抜けると、ひたすら地味な田園風景が続くが、クルマの流れは快調だ。  最初の名所は「与位の洞門」。江戸時代、地元の農民が川岸にそびえる2つの巨岩をくりぬいて造ったトンネルだそうな。わずか数十mながら、素朴な手掘り感が今も残る。なによりも誰も来てないところが風情満点! 近くの与位神社には天然記念物の大スギが。もちろん誰も来ていない。独り占めだ。
与位の洞門

与位の洞門

 そこからは道の駅が約8kmおきに続々と現れる。というか道の駅以外めぼしいものがなにもない。それでもさすがに道の駅。道の駅というだけである程度クルマと人が集まっているのを強く実感! 道の駅は過疎地の命の電話みたいなものですね!
道の駅「播磨いちのみや」

道の駅「播磨いちのみや」

 道の駅「みなみ波賀」で、山城まんじゅうを発見。この近くに山城があるってことか? 城マニアとして見逃せず、店員さんに尋ねたところ、「ここから見えるあの山のてっぺんにあります」とのこと。
道の駅「みなみ波賀」

道の駅「みなみ波賀」

 林道をCX-5で上り、そこから少し歩くと、2階建ての小さな小さな天守が見えました! 最近になって再建されたもののようだが、いったいなぜこんな誰も来ないような山奥にこんなものが?  説明文を読んだところ、平成2年に竹下登首相(当時)が打ち出した「ふるさと創生」の1億円で作ったとの記述アリ。観光目的じゃなく地元の誇りのためだそうな。アッパレ! ちなみにこの城を落としたのは後の天下人・羽柴秀吉。歴史ファンとしてもうひとつアッパレ。
波賀城史蹟公園

波賀城史蹟公園

道の駅「はが」

道の駅「はが」

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鳥取県に入ると、ピンク色のSLが!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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