山田ゴメスの俺の恋を笑うな
恵比寿駅西口改札前某カフェ金曜PM7:00
そのカフェは恵比寿駅西口改札のド真ん前にあった。
オレンジ色を基調とした、大手チェーン系の小綺麗なお店。席数は30前後。迷いようがなく、しかもエビコン(=恵比寿合コン)の待ち合わせ場所として定番である交番前にも近い絶好の立地条件。
そのカフェは週末の午後7時にもなると、合コンという名の戦地へと趣く女兵士たちのプレミーティングの場として、より一層活気づく。
中に入ってみる。席はほぼ埋まっていた。男は私をふくめて3人しかいない。店内がとにかく白い、と感じた。だが、内装が白いわけではない。女性が身に付けている洋服が、圧倒的に白っぽいのだ。
「買ったばっかの黒のワンピか悩んだんだけど、やっぱ白が目立つかな?って」
「黒は男から見た印象が薄いしね」
隣の丸の内OLらしき3人組がこんなことを話している。彼女は「新しいワンピが着たい」という欲望より戦略を選んだのだ。このような、さり気なさの裏に潜む緻密な計算に、男たちは翻弄され我を失っていく……軽い女性不信に陥ったのは言うまでもない。
向かいの席に視線を移してみると、2人組がなにやら言い争っている。
「アンタ、谷間見えすぎ! そーいうの逆に男は引くと思うよ」
そんなことはない、と思わずアドバイスしたくなる私を差し置いて、当人が間髪入れずに反論する。
「アンタのノースリだって、二の腕からエロオーラ出まくりでしょ!」
二の腕より、むしろワキの下にムラッときますよー、と思わず主観を述べたくなる私におかまいもなく、谷間ガールのケータイが鳴る。
「ユリ、今着いたって」
「じゃ、行こか」
そして二人は、当たり前だが私を残し、去っていった。
合コンは終わったあとの反省会こそが楽しみ、と男はよく言うが、女性はむしろ復習より予習のほうが好きなのかもしれない。
私の斜め前の派手ギャルが、独りつまらなそうにメールを黙々と打っている。男が近づいてきた。50を越えた薄ハゲオヤジだ。これは同伴だ、と思った。
『VOCE』(講談社)2009年8月号より。文と画/山田G。合コンの作戦会議でにぎわう週末の恵比寿を描いた短編ルポ。ちなみにこのカフェは、2010年の5月、一部の常連やマニア(プレ合コンウォッチャー?)のあいだで惜しまれつつも閉店した。
ゴメスさん、これから毎日ブログチェックします★!!
ありがとうございます! レスがあったらうれしいですよー!!
あ~、ガールズトークの聖地(=市場調査会場)がひとつ消えて残念です・・
あそこのカフェ、禁煙になってからガクッと客が減っちゃいましたからねえ……。
こんばんわ。
ドリカムの歌ですね。
「戦闘の準備は〜ぬかりない♪」
おいら合コンは生涯一回しか行ったことがなく、
そこで浮気しちゃったら本カノにばれて、
(あああ、思い出したくない!)
合コンで恋人ってできるのかなあ。
おいらは愛を失ったんですが(ああああ)。
皆様も、
同じ街の女は同時に二人以上口説いたらダメですよ。
それから本カノがいる人も、
できるだけ合コンは行かない方がいいです。
数合わせでも。
酒とか絡んじゃうから。
修羅場ですから。
天国から地獄直行です。ああ。
なんか、ものすごく念の入ったコメントありがとうございます(笑)!