山田ゴメスの俺の恋を笑うな
夢日記
サッカーの日本代表に選ばれる夢を見た。
いよいよW杯を明日に迎えての最終合宿である。
場所は箱根とか伊豆とか、そんなところだ。
東京の自宅から合宿所に向かうバスは満員で、座れなかった。運悪く朝のラッシュアワーにひっかかってしまったみたいだ。
私と同じジャージを着た代表メンバーの何人かを車内で見かけた。本田は、おばあちゃんに席を譲っている。
結局、合宿所に着くまでずっと立ちっぱなしだったので、足がむくみはじめていた。
私はガンジーの似顔絵がプリントされた白いTシャツに赤い海パンといった格好をしている。
衣類はこれだけしか持ってきていない。
世話役の男に着替えは支給されないのか、と聞いてみるが、反応は冷ややかだった。
支給されるのは、練習用と試合用のユニフォームだけで、プライベート用は自前ですよ。きちんと言ったじゃないですかー!
そうだっけ?
愕然として私は肩を落とす。近くにコンビニとかはないのか、とも尋ねてみたが、車で1時間以上かかるらしい。しかたないので、たった1枚しかないTシャツと海パンとパンツを、宿舎の地下にあるコインランドリーで洗い、使いまわすことにした。
素人同然の私が、代表入りするという大抜擢は、チーム内にも波紋を呼んでいた。
なんで、こんな下手クソが混じってんだよ!
オレ、このまま、このヒトといっしょにピッチに立つんだったら、明日からのW杯、ボイコットします!
チームメイトから私に浴びせられる罵詈雑言の数々は、容赦ないものだった。私はうつむきながら、じっとただ、堪えている。
岡田監督は腕組みをしながら感情の読めない表情で、沈黙を貫き通している。
最悪の雰囲気のなか、キャプテンの中田浩二だけが、私を擁護してくれる。
新しい血を入れることによって、活路を見いだそうという監督の戦略がわからないのか!?
だってこのヒト、オフサイドも知らないんですよ!
知らないことが最大の武器なんだよ!
劣勢の浩二の広い背中のうしろで、小刻みに震える小ウサギのような私を一瞥し、岡田監督が短く一言だけ
そうだ。無知の知、だ。
と言い残し、ミーティングルームをあとにした。
そうか……無知の知か……?
案外、イケるんじゃねえの?
うん。やるっきゃないよな!
そうだよ! もうやるっきゃないんだよ!!
と、メンバーたちを鼓舞しながら、まるで自分にも言い聞かすように繰り返す浩二の目には、じんわりと涙が浮かんでいる。
いろんな障害を乗り越えて今、チームはひとつになったのだ。
そして、W杯当日、私たち日本代表は大歓声に包まれ、黄色いユニフォームに身をまとい、グラウンドへと駈け出した……
ところで目が覚めた。二の腕を見ると、鳥肌が立っていた。
(たぶん、続かない)
山形の、かみのやまに行ってきました。そこで、こんなクレイジーな夢をみたのです。
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