更新日:2022年07月28日 17:46
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「葬儀代が払えないので親の遺体を放置した」報道に疑問。どんなに貧乏でも葬儀はできる

火葬だけなら15万円以下の業者も

 結論から申し上げますと、十分なたくわえがなくても親を見送ることは可能です。  みなさん、葬儀費用が実態よりもかかると思い込んでしまっています。確かに、式場を借りてお坊さんを呼んで、となるとそれなりに費用がかかります。100万円を超えることはザラです。  しかし、そこまで望まないなら、儀式的なことは行わず、とりあえず火葬だけを行う直葬(ちょくそう)という方法があります。たとえば生活保護を受けているような本当に貧しい方が亡くなった場合なら、火葬のみをおこなうだけの費用が自治体から支給されます。  もし全額自分で負担する場合も、火葬だけを行うなら格安の葬儀業者であれば、15万円以下で行うことが可能です。さらに故人が国民健康保険に加入していれば、自治体により異なりますが葬祭費として3~5万円程度をもらえます。

なかには3万円でお経も

 また、いろいろ条件がありますが、故人が国民年金加入者の場合は「死亡一時金」がもらえます。ちなみに、葬祭費も死亡一時金も自分から手続きしないともらえません。この仕組みを知らないで損をしている人も多いでしょう。  このように火葬だけなら決して「払えない」金額ではないはずです。  火葬だけでは寂しいと感じる方で、なおかつ少し予算に余裕があるようならこんな方法はいかがでしょうか。火葬の際、火葬炉前にお坊さんを呼んで5分ほどお経をあげてもらうのです。葬儀屋さんに探してもらえば3万円くらいで呼べるはずです。  死体遺棄は3年以下の罰則です。何より良心の呵責に耐えられないでしょう。正しい知識が広まって、悔いのないお別れができることを望みます。 <文/赤城啓昭> 【赤城啓昭】 葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中。
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