雑学

あまりにショボイ自衛隊の緊急キット。隊員が撃たれても助けられない!?



 日本では医師でないと許可されない医療行為も緊急時に行えるだけの訓練や技術を米軍の衛生兵は持ち実際に現場で対処することができます。仲間が負傷したときにすぐに適切な対処をして、病院に送り返すことを前提に考えられ、そのための権限をもっています。仲間の負傷のリスクから目を背けるのではなく、十分に検討し事前に必要な準備を欠かせない米軍と自衛隊の間には途方もない差があります。

 いくら自衛隊が貧乏だからといっても、国のために働く自衛官へのリスクを無視しすぎています。平成28年度 防衛省行政事業レビュー外部有識者会合で、個人携行救急品を全隊員分確保した場合、約13億円が必要だから、限られた予算での確保は現実的ではないと隊員の命をバッサリと切り捨てています。その自衛官をつかって災害時に国民の救難を行うのはなんというブラックジョークなのでしょうか。自衛官の命は救うべき国民の中に入らないということでしょうか?

 この個人携行品の問題は、やっと国会で取り上げられるところまできました。通常国会に衆議院に「第一線救急救命処置体制の整備に関する法律案」が出されています。少しでも自衛隊員のための装備品を整備してほしいとおもいます。ただ、法律ができても、その装備品を買うための予算を出さなければ何にもなりません。どこかを減らせば、別の何かが致命的になります。何もかも足らないのですから、何も減らしてはいけないのです。

 傷病者の命を救うためには、すぐに止血などの応急処置をしたら後方に送り、緊急病院に搬送する必要があります。傷病兵を搬送するための車両や航空機、その輸送するための装置もシステムも構築されていません。正面装備や燃料を減らして備品を買おうという感覚では誰も救えなくなります。

 医師法や薬剤師法との調整もあり、簡単にはかえられませんが、自衛隊の緊急救命体制も人手、予算も、装備も訓練体制、どれもまったく足りないのです。<文/小笠原理恵>

国防ジャーナリスト。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰
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