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『進撃の巨人』、BABYMETAL…オタク臭が漂う日本の「プログレメタル」

オタク臭漂う女性ヴォーカル・プログレ

 女性ヴォーカルを擁したプログレメタルは、なぜかオタクというか声優アイドル的な空気がねっとりと纏わり付いている。ファンタジックなサウンドで女性ヴォーカルだと、アニソンっぽくなってしまうのは無理からぬことだとしても、それを差し引いても、彼女たちの歌唱や存在までもアニメ臭・声優アイドル臭を感じるのだ。何なんだろう、この妙な空気は……。  収録時間は60分あるのに曲数は4曲のみという、いかにもプログレな『伝説を語りて』(1990年)を発表した北海道のプログレ・バンドPROVIDENCEのヴォーカル=久保田陽子は、1997年に放送されたTVアニメ『マッハGoGoGo』(第2作)の主題歌を任されている。彼女は、北海道つながりで、FASTDRAW(連載17回参照)やSABER TIGERといった正統派ヘヴィメタル・バンドにも在籍した経歴がある。後者のSABER TIGERは、2001年にTVアニメ『はじめの一歩』エンディング(ED)テーマを任されている(このときのヴォーカルは下山武徳)。  筆者にとってのプログレメタルの入り口であり、一押しでもあるMarge Litchは、NOVELA以上のメロスピ楽曲を持っている。筆者は、1stアルバム『ファンタージェン』(1991年)を聴くまでは、プログレではなくメロスピ・バンドと思っていたくらいだ。デモテープ『PROLOGUE』(1989年)収録の「Orpheus」「Masquerade Game」は、コテコテの歌謡スピードメタルで、その歌メロは、Xの「紅」や「X」に勝るとも劣らない。JUNKOのアニメ声ヴォーカルに悶絶する。

上段左からMarge Litchの1stアルバム『ファンタージェン』(1991年)、2ndアルバム『真実の指輪』(1992年)、3rdアルバム『悲劇の泉』(1995年)、下段左から1stの再録音アルバム『ファンタージェン1998』(1998年)、代表曲のライヴレコーディング・アルバム『パティキュリオ』(2000年)(筆者撮影)

 2003年、Marge Litchを前身として、ALHAMBRAが結成された。こちらは、TVアニメ『HUNTER×HUNTER』(2011年)の2ndEDテーマ「HUNTING FOR YOUR DREAM」(2012年)などを任されたGALNERYUSのYUHKIがリーダーである(YUHKIについては、連載第14回参照)。  GALNERYUSは、新世代ジャパメタの頂点に立つ存在であるが、彼らの音楽性には、プログレのテイストがかなり混ざっている。2代目ヴォーカリスト=小野正利は、ソロとして劇場用アニメ『ろくでなしBLUES』(1992年)の主題歌や、TVアニメ『HUNTER×HUNTER』(2011年)やTVアニメ『カードファイト!! ヴァンガード レギオンメイト編』(2014年)のOPテーマ、『ドラゴンボール改 魔人ブウ編 海外版』(2014年)OPテーマ、ほか多くのヘヴィメタルテイストのゲームソングを歌っている。  さらに、GALNERYUSの初代ヴォーカリスト=YAMA-Bは、同人メタルの始祖でもある(連載第13回参照)。つまり、初代と二代目、両者ともアニメおよびオタク・シーンとの縁が非常に深いのである。さらに言えば、3rdアルバムまでのジャケット・イラストは、なぜか先述の天野喜孝が手がけていた。  話を戻すが、ALHAMBRAには、Jポップとプログレメタルが混在したメロスピ・バンド=LIGHT BRINGERのHIBIKI<b>もメンバーに名を連ねている。
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アニメとプログレメタルの特異点
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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