「激安中古ベンツを売っている店はすべて極悪系」は本当なのか?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
フォルクスワーゲンを抑えて上半期輸入車新車販売台数1位だったメルセデス・ベンツ。Aクラスをはじめ、兄弟車のCLA、GLAなど庶民派モデルを続々と投入し、日本市場を席捲中です。しかし、そんな最新庶民派ベンツよりもイバリが効くのが、激安中古ベンツ。予算100万円台で選り取り見取りなんですが、素人が手を出しても大丈夫なんでしょうか?
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
◆激安中古ベンツを売っている店はすべて極悪系は本当なのか?
現在、激安中古BMWを愛車とする私だが、先日、旧知のカメラマン・茂呂幸正氏がピカピカの中古ベンツに乗って現れ、それがたったの198万円だったと聞いて衝撃を受けた。
中古ベンツは中古BMWに負けず劣らず安い。特にSクラスなどバカデカセダン系は猛烈に値落ちが激しいことで有名だが、Eクラスあたりでも、ビカもんがこんなに安く手に入るのか!
さっそくサイトを検索したが、正規ディーラーの中古車センターはお値段の高いタマばかり。300万円を超える中古車にロマンはない。やはり男のロマンは激安系である。
が、ここで問題が立ちはだかる。
「激安中古ベンツを売っている店はすべて極悪系」という都市伝説だ。
思えば十数年前に取材した中古ベンツ専門店は、店員が完全にヤクザだった。白シャツのボタンを胸まではだけ、眉毛はなく髪はパンチ。ああいった店はまだ存在するのか?
「いえ、ネットの普及により、極悪店はほとんどなくなりましたね」
そう語るのは、輸入中古車研究家の伊達軍曹である。
「もちろん極悪店の流れを汲む店は多数残っていますが、昔ながらの商売のやり方ではすぐ炎上してしまい、大手中古車サイトにも広告掲載を拒否されますので、やり方を変えざるを得なかったのであります」(軍曹)
具体的には?
「かつては、架空の激安目玉商品で客を釣り、店に来たら『売れちゃったんです』と一ケタ高いボロベンツを売りつけ、クレームが来ても『ムリだね』、『そこまで対応できないよ』などと言い逃れ続けて相手が諦めるのを待つという手法でしたが、今は全般にまともになりました。何よりの追い風は、最近のベンツは滅多に故障しなくなって、あまり整備の必要がなくなったことでしょう」
ベンツが最後に壊れまくったのは’03年式あたりから3年間ほど。急速に電子制御化を進めすぎて故障が頻発、リコールも連発したが、反省して元に戻してからは急速に品質が向上した。’07年式あたりからなら、店員の見た目が極悪でも、国産車感覚で買えるのである!(たぶん)
というわけで訪れた激安系の某店。店内の飾り付けはドンキ系、店員はエグザイル系だが、クルマには問題なさそうだ。
⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=950542
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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