更新日:2017年11月15日 18:02
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警戒をとくことには成功したが、課題も残った安倍・トランプ「ゴルフ」外交【評論家・江崎道朗】

【江崎道朗のネットブリーフィング 第5回】 トランプ大統領の誕生をいち早く予見していた気鋭の評論家が、日本を取り巻く世界情勢の「変動」を即座に見抜き世に問う!

トランプ大統領の対日不信感は消えたのか?

警戒をとくことには成功したが、課題も残った安倍・トランプ「ゴルフ」外交【評論家・江崎道朗】 安倍・トランプ「ゴルフ」外交は、大成功だったようだ。握手嫌いのトランプ大統領が、安倍総理をわざわざ出迎え、握手どころかハグまでしてみせた。  トランプ大統領はいわゆる移民入国制限の大統領令で国際社会から非難され、アメリカのマスコミは相変わらずトランプ叩きに余念がない。国際的にも国内的にも孤立しつつある大統領からすれば、積極的にトランプ政権との関係を縮めようとする安倍総理の存在は助け舟に見えたに違いない。今回の成功の要因について、そんな解説も聞こえてくる。  しかし、トランプ大統領の個人的な感情だけで日米関係が左右されるわけではない。トランプは昨年、こんなことを言っていた。 「日本は米国に何百万台もの車を送ってくるが、東京でシボレーを見たことがありますか? 我々は日本人には叩かれっぱなしだ」 「中国、日本、メキシコから米国に雇用を取り戻す」 「私は日本に(核)武装してほしいのではなく、少なくともその(駐留)経費を弁済してほしいのだ」  実は、安倍政権は、トランプのこういった「反日偏見」を助長するようなことをしてきている。とりわけ昨年9月、大統領選挙中に安倍総理が民主党のヒラリー候補と面会したことは痛手であった。  産経新聞(2016.9.20)がこう報じている。 《「再びお目にかかれてうれしい。私の政権が進めている『女性が輝く社会』にいち早く賛同の意を表明していただいたことにお礼を申し上げたい」  19日午後(日本時間20日朝)、米大統領選民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官を米ニューヨーク市内のホテルで迎えた安倍晋三首相は、こう語りかけた。女性政策を持ち出しつつ、クリントン氏との個人的な“信頼関係”を見せつけることで、共和党候補のドナルド・トランプ氏への不信感をにじませたのだ。 (中略)会談すればクリントン氏に「肩入れ」したとも受け取られかねない。それでも首相が踏み切ったのは、日米同盟を覆しかねない言動を繰り返すトランプ氏が大統領になることへの危機感を強めているからだ。》  安倍総理はトランプの側近とも会うようアプローチしていたが、大統領選挙の真っ最中にこうした記事を見たトランプが、安倍総理に対して「警戒心」を持っても不思議ではないだろう。
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親中派の二階俊博氏を幹事長に指名した安倍首相
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保

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経済的安全をいかに守るか?実践的な入門書が発売!

 ’17年、トランプ米大統領は中国を競争相手とみなす「国家安全保障戦略」を策定し、中国に貿易戦争を仕掛けた。日本は「米中対立」の狭間にありながら、明確な戦略を持ち合わせていない。そもそも中国を「脅威」だと明言すらしていないのだ。

 日本の経済安全保障を確立するためには、国際情勢を正確に分析し、時代に即した戦略立案が喫緊の課題である。江崎氏の最新刊『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』は、公刊情報を読み解くことで日本のあるべき「対中戦略」「経済安全保障」について独自の視座を提供している。江崎氏の正鵠を射た分析で、インテリジェンスに関する実践的な入門書として必読の一冊と言えよう。

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