男のルクエ

 ルクエ

を購入した。

 カラフルなシリコンっぽい材質の、
昔のSF映画とかに出てきそうな、人工冬眠カプセルみたいな形をした
話題の(もう古いか?)調理用容器である。

 最近のお買い物のなかでは、
ダントツ一番の大ヒット!

 調理食材をなんでもブチ込み、レンジでチンしただけで
いっぱし風の料理が出来上がってしまう、正真正銘

男の味方

と呼んで相応しい、優れモノだ。

 最初は律儀にネットなどから検索してきたレシピ

に忠実につくってはいたものの、
途中から面倒臭くなって、
結局は、

俺レシピ

で、食材はおろか、
日本酒だのワインだの醤油だのソースだのトマトジュースだの
コショウだの七味だのレモン汁だのほんだしだのマギーヴィヨンだの
梅昆布茶だの焼き肉のタレだの、そのほかの怪しげな調味料だの……

片っ端から

隠し味

と称してブチ込みまくっている。

 なのに不思議と不味くならない、まさに

味覚のブラックホールや〜!

そんな彦麻呂気分なのである。

 いろんな具材や隠し味的調味料をブチ込んでつくる手順は
鍋料理にも似ていなくはないが、
見栄えが鍋よりも手の込んだ風に仕上がるのが、
さしたる料理テクニックを持っているわけでもない私には、
またありがたい。

 つまり、お手軽に、よりクリエイティブ感覚を堪能できるのだ。

 しかも、調理法としては

蒸す

にあたるので、油も少なめだから体にやさしい。

 コイツは使いこなしたら

相当女子にモテますよー!

 いっそのこと、

いつもバッグにマイ・ルクエを潜ませておく

のはどうだろう?

 で、デートの最中

今からキミん家行って、コレで料理つくってあげるよ

なんて、おもむろに極彩色のルクエを取り出したりしたら、

相手も一瞬、

なに、それ?

と、冷静な判断力を失ってしまうのではないか。

 最新型のスマホとかフェラーリとかよりは

ずっと効果的だと思うのだが。

 携帯用ルクエケースとかがあれば、男には売れちゃうかも!

 売れねえか……?

今宵のメニューは「鯖の中華風老酒蒸し」。ニラとエノキダケを敷き詰めた上に、鯖を乗せ、老酒をどばどばかける。隠し味に生姜とニンニクのみじん切り、ゴマ油、中華だしのもと、昆布茶、醤油、レモン汁、日本酒が入っている。隠し味ばっかだ。

2011.11.02 |  2件のコメント

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

“男のルクエ” への2件のフィードバック

  1. まる より:

    味付けがオリジナルになってしまうというコトで
    よーするに文体しかり、ゴメスさんは多国籍料理
    みたいなお方?なぞと思ひました。

  2. gomesu より:

    でも、味は美味しかったですよー。(ゴ)

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