孫正義がトランプとプーチンに急接近する理由とは? 元ソフトバンク社長室長が分析する
では、孫氏が世界中にお金をばら撒く狙いは何か? 嶋氏は「新たなバブルを起こすこと」と分析する。
「1997年に韓国がIMF(国際通貨基金)の管理下に入ったとき、孫さんはビル・ゲイツ氏とともに当時の金大中大統領と面会しました。そのときに、金大統領から『どうやって韓国経済を立て直したらいいか?』と意見を求められて、孫さんは『1にブロードバンド、2にブロードバンド、3にブロードバンド』と即答。ゲイツ氏もその場で『200%、それしかない』と同調した……と、私は孫さんから直接そのときの話を聞きました。韓国ITバブルの仕掛け人は孫さんだったわけです。おそらく、トランプ氏との会談では『1にIoT(Internet of Things、モノのインターネント)、2にIoT、3にIoT』と話したはず。というのも、孫さんは常々『’18年にはコンピュータが人間の脳を超える』と予言してきました。脳には300億個のシナプスがありますが、’18年には半導体チップの中のトランジスタの数がそれを超えるというのです。’18年にかけてIoTバブルが起こることを見越したうえで、孫さんはトランプ氏に5.7兆円ものIT投資を打診したわけです」
実は孫氏が手掛けた投資案件はこれまでに莫大なリターンをもたらしている。今年7月に発表した2017年3月期第1四半期決算によると、ソフトバンクがこれまでにインターネット関連企業などに投資してきた金額は7398億円。対して、そのリターンは10兆1000億円! 年平均の利回りに相当するIRR(内部収益率)は驚異の44%。アリババ株を含めて、ソフトバンクが保有する株の含み益は9兆円を超えているのだ。
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