更新日:2022年08月19日 10:10
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孫正義がトランプとプーチンに急接近する理由とは? 元ソフトバンク社長室長が分析する

 もちろん、孫氏自身も世界の名だたるVIPと太いパイプを築いてきた。トランプ氏との会談をお膳立てしたのも、「2人の大物」と言われている。 「おそらく、ラスベガスのカジノ王と言われたシェルドン・アデルソン氏と共和党の重鎮で元上院議員のボブ・ドール氏でしょう。アデルソン氏は大統領選の際に27億円も寄付したトランプ氏の有力支援者。孫さんとは1995年からの付き合いです。ソフトバンクが上場してすぐの頃、孫さんはアデルソン氏が手掛けていた世界最大のIT見本市『コムデックス』を買収したのです。アデルソン氏はそのときの売却益で、ラスベガスのホテル経営に乗り出しました。一方のドール氏とは、ソフトバンクが米携帯電話会社3位のスプリントを買収した2013年前後からの付き合いだと思います。買収に際して、孫さんは何度もドール氏と面会していましたから」(嶋氏)  このドール氏は台湾の有力ロビイストとしても名の知られた人物。ニューヨーク・タイムズは12月7日に、トランプ氏がアメリカの外交政策の慣例を破って台湾の蔡英文総統と電話会談した背景に「ドール元上院議員の働きかけがあった」と報じている。  付け加えておくと、孫氏と台湾のパイプも太い。トランプ氏との会談後に、孫氏がプレゼン資料を片手に写真に写っていたことをご記憶だろうか? その資料には「ソフトバンク」の社名とともに、「FOXONN」の文字が。これはシャープを買収した台湾の鴻海精密工業のブランド名なのだ。  鴻海はアップルのiPhone製造を一手に担っている世界に名だたる電子機器メーカー。ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」も同社が製造している。さらに、孫氏と鴻海の会長である郭台銘氏(英名テリー・ゴウ)は「友人」。シャープ買収の際には、鴻海と日本の銀行のトップとの橋渡し役を孫氏が担ったと言われているのだ。  トランプ氏は以前から、米国企業が安い労働力を求めて海外に製造委託してきたことを批判してきた。アップルを引き合いに出し、「アメリカ国内で製造すべき」と持論を展開することもあった。そのトランプ氏の言説を念頭に、孫氏は鴻海とトランプ氏の仲を取り持ったのではないか? もはや、孫氏の活躍がイチ経営者の枠を超えていることだけは間違いない。<取材・文/池垣完>
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