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薬を飲むときに食べてはいけない物。納豆、牛乳、グレープフルーツも!?

 薬も食物も、本来は健康のために摂るもの。ところが「飲み合わせや、食物との組み合わせによって、その効果を台なしにしたり、逆に毒化してしまうことがある」と語るのは、薬剤師のいしぐろいずみ氏。 「まず声を大にして言いたいのが、アルコールと薬は絶対に一緒に飲まないでいただきたいということです」 日常に潜む[混ぜたらキケン]図鑑 クスリ 酒呑みには、のっけから耳の痛い話になりそうだ。 「人間の肝臓にはアルコールを分解する酵素がありますが、この酵素が薬の成分を有害化させるケースがあるんです。また、アルコールが体内にあるときに薬を飲むと、薬に対する解毒作用が遅くなって通常より効き目が強くなる危険性もあります。特に避けたいのは睡眠薬や鎮痛剤、精神安定剤ですね。薬の効果が増強されて、意識障害を起こしたり、最悪の場合、昏睡状態に陥ることもあります」  一方、一見健康に良さそうなグレープフルーツも、高血圧の人にとっては危険になる。 「グレープフルーツの苦味成分のフラノクマリンという物質が、肝臓が薬を分解して無毒化するために必要な酵素の働きを邪魔するので、薬がいつまでも体内に残り薬の効果を強めてしまいます。薬が効きすぎると必要以上に血圧が低下したり、心拍数が増えて命にかかわることもあるんです」 日常に潜む[混ぜたらキケン]図鑑 グレープフルーツ アルコールなら自業自得といったところだが、フルーツで命を落とすのは避けたいものだ。  下記は、日常生活において、薬を飲む際についやってしまいがちな、飲み合わせNGの例。参考にしてぜひ気をつけていただきたい。 ●コーラ×アスピリン アスピリンは、胃の中がアルカリに近いほうが溶けやすく、効果が表れるのも早い。炭酸飲料は酸性なので胃を酸性化させ、アルピリンが溶けにくい状態をつくり出してしまうのだ。 ●アボカド×抗うつ剤 アボカドやチーズなどに含まれるチラミンという物質が、(MAO阻害薬)というタイプの抗うつ剤を服用中に大量に食べると頭痛を起こしたり、血圧の上昇を招く場合がある。 ●納豆×抗血栓薬(ワーファリン) ちまたで血液をサラサラにすると言われている納豆だが、ワーファリンの効き目を弱めてしまうビタミンKが非常に多く含まれているので、一緒に食べるべきではない。 日常に潜む[混ぜたらキケン]図鑑 納豆●チーズ×カゼ薬(総合感冒薬) カゼ薬によってチーズに含まれるチラミンという物質が、肝臓で代謝されるのを阻害するため、頭痛や動悸を引き起こす可能性がある。熟成度の高いチーズほど要注意。 ●牛乳×骨粗しょう症薬 カルシウムが豊富で骨によさそうな牛乳。だが、一部の骨粗しょう症薬の中にはカルシウムと結合すると、体に吸収されにくいキレートという構造に変化して薬効が弱くなってしまうものも。 ●牛乳×便秘薬(コーラックなど) 腸で溶けるタイプの便秘薬は、胃酸で溶けないようコーティングされているが、アルカリ性の牛乳が胃酸を中和することでコーティングを破壊、胃で溶かしてしまうため効果を減じる。 【薬剤師 いしぐろいずみ氏】 東邦大学薬学部卒。薬剤師として勤務する傍ら、トレーニングジムの運営やサプリメントの開発にも関わる。 ― 日常に潜む[混ぜたらキケン]図鑑 ―
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