すき家「正社員と非正規の社内格差」の実態
いまやブラック企業というイメージが定着したすき家。だがそれは、正社員と非正規社員との社内格差によるものなのだとか。東北地方で正社員として働く大野和子さん(仮名・39歳)はこう証言する。
12/2発売の週刊SPA!では「30代年収格差が拡大中!」という特集を組み、あらゆる格差の実態に迫っている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
「確かにブラック企業というイメージは強いですが、それはバイトなどの非正規社員に対する話であって、実は私たち正社員には当てはまらないんです。『労時売り上げ』という労働時間に対しての売り上げノルマがあって、達成できなければバイトなどの勤務時間を削って申請することで帳尻を合わせていました。一方で正社員はこの『労時』に縛られることはほとんどなく、働いた分は残業代としてしっかりもらえる。正社員にとっては、むしろ“ホワイト企業”だったんですよ。私は残業代も含めて手取り月40万円前後で、ボーナスも1か月分。ところがバイトは20万円に相当する労働時間でも、ノルマのシワ寄せで16万円前後になっていました。ホワイトな正社員とブラックな非正規社員の格差が非常に大きいんです」
正社員のなかには24時間勤務を2日連続で行うなど、月450時間の労働で手取り60万円近くもらう社員もいたとか。だが、それも今は昔。その内情は大きく変化しているようだ。
「一連の問題で、バイトの労働時間の過少申請はもう行われていません。労働時間は、正社員も含め週40時間まで、残業は月60時間までと厳しく定められています。一見、労働条件が改善されたかのようにも見えますが、また別の問題が発生しているんです。長時間勤務が不可能になり、『稼げないから』と辞めていくバイトが急増中なんです。自分の手取りも当然減りましたが、今はそれより、人手不足による閉店しないかが心配でなりません」
仕込みと、鍋底についた焦げを落とすのが大変でバイトが一斉に逃げ出す原因になった「牛すき鍋定食」を復活させたすき家。皆、さらなる労働力不足を危惧しているとのことだ。
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