更新日:2022年08月23日 15:44
仕事

倒産する会社の特徴「住宅ローンの審査が通らなかった」――当事者の告白

 後で知ったことだが、この頃、すでにM建設は建築基準法改正による工期の遅れやリーマン・ショックの煽りで火の車だったという。 「A銀勤務の知人に後日談として聞いたところ、当時の社長は毎日のようにA銀の融資課を訪ねていたそうです。採算度外視の仕事をたくさん取るようになったのも、キャッシュフローを作って融資を受けやすくするためでした」  社長が資金繰りに奔走する一方、M建設の危機は外部に漏れ伝わっていく。機を見るより敏な市議会議員などは態度が露骨だったとか。 「倒産の前年くらいになると、それまで山のように届いていた社長宛ての年賀状や暑中見舞いが、倒産の年には半分くらいになっていた。かつては花見や忘年会に来ては、酔っ払って社長にキャバクラをおねだりしていた市議会議員と秘書も寄りつかなくなりました」  カネの切れ目が縁の切れ目ということか。その後、M建設はあえなく倒産。資材業者の怒号飛び交う現場を処理するハメになった富岡さんは「あれほどの修羅場を経験すれば、もう何も怖くない」と今も強く生きている。〈取材・文/週刊SPA!取材班〉
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