警察に逮捕され営業停止処分に。欲望のためについた嘘が招いた悲劇――歌舞伎町10億円女社長の教え
私は急いで店長と黒服たちを集めてアナウンスしました。
「大変なことになりました。もしも警察にあの双子たちがバレてしまったら、営業停止になって店が潰れます。双子たちが働いていたか聞かれても絶対に知らないで通してください」
それから何事もなく半年が過ぎました。私は思い過ごしだったのかと双子のことを忘れかけていました。
そんなある日のこと、唐突に警察がやってきました。忘れるはずのないあの双子の写真を見せられて「あなたはこの双子を知っていますね?」と尋ねられました。
私は迷わず「知りません」と答えました。
いま振り返ると、警察が私を訪ねてきたこの瞬間、事実を隠蔽するのではなく、素直に罪を認め、償っていればよかったです。そして採用の流れをもう一度確認して、今後2度と未成年を雇うことがないよう、私も含め店の人間をすぐに教育すべきでした。
私が「知りません」と答えると警察は動揺のそぶりさえ見せず、さらにこう聞きました。
「彼女たちが働いていた事実は、裏づけがとれています。彼女たちの供述、周囲の人たちの聞き込み、店で働いている人たちの証言が得られています」
もし認めたら、店が潰れて、いま働いている人たちはみんな無職になり、大変なことになると思ったからです。とても怖かったです。絶対に認めてはいけないと思いました。
3か月のあいだ、警察は諦めずに何度も私のもとに通い、何度も何度も同じことを聞きました。
「あなたは、この双子を知っていますね?」
私は、その都度「知りません」と嘘をつきました。警察は「あと1か月。12月31日までにあなたが認めてくれなかったら、あなたを逮捕することになりますよ」と言いました。
私は「単なる脅し」と腹をくくっていました。それより、店が潰れるから絶対に認めてはいけないと思いました。
結局、1か月経っても罪を認めなかったので、年末に私は逮捕されてしまいました。
それだけではありません。
釈放されたあとに、私はどうしても双子を黙らせなくてはいけないと思いました。彼女らは保護観察処分中で、神奈川県の実家に住んでいました。私は実家まで出向き、「あなたたちが『うちの店で働いてた』と言うと、私の店は潰れてしまう。『働いていない』と言ってください」とお願いをしたのです。
この行動によってさらに大変なことになりました。
警察がお店にやって来た!
警察「あなたは、この双子を知っていますね?」
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