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大学サークルの新歓コンパに異変アリ…一気コールは激減、「花見禁止」を通達する学校も

渋谷は新歓コンパの街ではなくなりつつある

 このような「学生の飲酒離れ」は、大学サークルという文化をも変容させつつある。  渋谷駅ハチ公口から徒歩1分の場所に立地し、最大で200人以上の客席がある居酒屋「A」。ビールの安さもあり、同店は長年大学生の新歓コンパ会場として使われてきた。  だが、ここ数年はよくも悪くも「元気な学生」の姿は見られないという。同店で10年以上働く長谷川さん(仮名・30歳・男性)は、近年の新歓コンパの変化を次のように語る。 「うちの店は慶應を筆頭に青学、東大、駒澤など沿線大学のサークルの新歓コンパ会場としていつも使われてきました。4月中は学生の予約でいっぱい。予約するサークルは毎年一緒ですが、この3年ほどで予約人数が大幅に減っています。特に、慶應のテニスサークルやオールラウンドサークルは100人以上の予約が当たり前でしたが、去年から100人以上の団体予約はゼロ。青学なんてコンパの予約すらなかった。渋谷から一番近い大学だってのに、一体どこにいるんでしょうね」(長谷川さん)  さらに、学生の飲み方にも変化が訪れているようだ。 「特に慶應や駒澤の学生は5年ほど前まではピッチャーでビールやカシスオレンジを頼んで誰彼構わず飲んでました。新入生にコールをしてどんちゃん騒ぎをしていましたが、3年前からは新入生と上級生の席をきっちり分けて、新入生には絶対に酒を飲ませないようにしています。それに上級生も酒を飲まない。パッと見は飲み会って言うより食事会。コールなんて一切聞かなくなりましたよ。まあそれが本来の健全な姿なのですが」(同氏)  近年、サークルに所属する大学生の数は減少傾向にある。SNSの発達により、学内にとどまらずに他大と交流できるようになったことや、社会人と簡単につながれるようになったことがその背景にあると言われる。授業時間が増え続けるなかで、サークルにかける時間やカネが捻出できないという事情も大きい。 「慶應はサークルに入る人が明らかに減っていますね。逆に増えつつあるのが東大。昔は客席全員が酒を飲まないサークルも珍しくありませんでしたが、最近の東大生は酒を飲むコが珍しくなくなった。普通の人が入るようになったんじゃないかな。タバコも吸うし」(同氏)  なお、この居酒屋は今月末での閉店が決定しているという。  むろん、大学生が飲酒ルールを守るようになったことは歓迎すべきこと。だが、法政大学のように、一見過剰にも思える大学当局からのパターナリズムが横行しているのも事実だ。  このような状況が続けば、大学のサークルという文化が数年後には消滅するのかもしれない。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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