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大学受験のカラクリを暴露「合格するには勉強だけではなく◯◯が必要」

「100点を目指すやつはアホ」「3大予備校、いま入るなら◯◯◯」「教師の進路指導は信じるな」「勉強だけしても受からない」etc. 医学部合格の請負人こと松原好之氏(医系進学塾ビッグバン代表)と、講義のプロ、倉山満氏(倉山塾塾長)が受験業界のカラクリを暴露しながら、志望校に最短、最速で合格する方法を徹底的に考え抜いたという『偏差値40の受験生が3か月で一流大学に合格する本』を発売する。受験シーズンまっただ中の今、「従来の受験本とはまったくちがうものに仕上がった」という異例の内容に迫る。 ――松原さんは河合塾の英語講師として30年以上のキャリアがあり、かつ自身でも医系専門の進学塾ビッグバンの代表として多くの合格者を輩出されています。一方、倉山さんは憲政史研究者として言論界で活躍されているわけですが、そもそも受験は「畑違いなのでは?」と思うのですが。
倉山満

倉山満●1973年、香川県生まれ。憲政史研究者、倉山塾塾長。

倉山:評論家デビューするまでの間、2009年まで、個別指導の塾講師で食いつないでいた時代がありまして、そのときのマニュアルを公開したいと思っていたんです。本書はまさに、進路に悩んでいた高校生の自分に向けて書いたつもりです。おそらく、受験業界に戻ることはないでしょうから、ぶちまけてもいいかな、と。 松原:ここ10数年、入試問題は大きな変化を遂げていて、実は、とても簡単になっているんです。それこそ、今の40~50代の親世代に比べれば、はるかに易しいと言っていい。「なんだ合格しやすくなったのか」というと、そうではなく、とにかく解く速度、処理能力が求められるようになっています。「素早く、正確に」が必須であり、一部の超難関国立大学を除いて、一問一問を「じっくり、深く」考えていては合格できません。といったようなことを、高校の教師や塾講師が把握しているかというと、これはまた別問題で、現状は、たとえば、河合塾なんかは中途半端で、大勢集めて国立大学向けの勉強をさせておいて、実際は私立を受ける子が多い、というような悲劇的な矛盾が起きています。 倉山:そういった最悪の事態が現在の受験界では起きているわけです。そこで我々ふたりが現世利益をとことん追求した受験本を世に問うて、「勉強ができない子でも最低、中央大学文学部ぐらいには入っておきましょうよ」と提案する次第です。たとえばよくある話で、東大をめざしていた子が、早稲田、慶應にも落ちてしまい、結局は明治、中大ということがあります。これは松原先生がおっしゃるように、東大と早慶では、そもそも入試問題のタイプが異なるので、アプローチを間違えると、簡単に落ちてしまう。問題の解き方をいくら教わって解けるようになっても、根本の戦略を間違えていると、受験は失敗する。そういったストラテジーからきちんと提案していこうと思っています。
松原好之

松原好之●1952年、岐阜県生まれ。進学塾ビッグバン代表、神奈川歯科大学客員教授、小説家。

松原:つまり、逆を言うと、東大・京大や難関医学部以外なら、「最短・最速で解く」というコンセプトをもって受験勉強に向き合っていれば、どんな大学でも合格できるということが言えるんです。受験は、戦略的思考さえあれば、合格できる。ではどうしたら、「戦略」が立てられるかというと、とにかく「受験を知る」ということなんです。これはぜひ知っておいてほしいのですが、問題を解くことだけが、受験勉強ではない。問題を見る角度を変え、入試そのものへの見方を変えることで、勉強を「させられている」のではなく、入試問題の出題者を「上から目線」で眺め、出題者をも出し抜いてしまう。これこそが合格の鍵なのです。 倉山:そこで本書では、受験に「大戦略、戦略、作戦術、戦術」という概念を導入しました。問題の解き方は「戦術」にあたり、ご覧のとおり、一番下位の概念になります。そんなものはあとからついてくるものであって、本当に大切なのは「大戦略」「戦略」という上位概念だということがわかるはずです。大戦略とは何か?と言われれば、これは受験界の構造や仕組みを知って、そのカラクリを見抜くことです。松原先生がおっしゃっているように「入試問題には2パターンありますよ」「そもそも求められている能力が違うんですよ」「受験は基礎ができたらゴールですよ」「その予備校で大丈夫ですか」といったテーマについて、答えを出しています。「戦略」は志望校選びです。目標という志望校と攻略法という志望校研究を徹底する方法論について述べています。そして、作戦術とは勉強法、戦術が受験生が血まなこになってやっている、いわゆる問題の解き方、そのコツになります。 松原:私はよく生徒やその親御さんに質問されるのですが、それは、「努力は報われると言いますが、バカでも頑張れば必ず成績が伸び、合格するものでしょうか?」ということです。私は、大手予備校で30年近く教鞭をとり、延べ8万人以上の生徒を見てきましたが、その経験からわかったこと、同僚の先生にも話を聞いて得た最終的な結論とは、「医学部を除く大阪大学レベルなら入れる。国公立医学部や、東大、京大はその生徒自身の才能もあって何とも言えないけれど、しかし、阪大など旧帝大の工学部、あるいはそれと同程度の中堅私立医学部なら、しかるべき指導があれば、合格できます」ということなんです。受験生の努力はもちろんですが、親ができることも多い。大人がかかわることで、その受験生が「化ける」瞬間に数多く立ち会ってきました。 倉山:まだ間に合います。偏差値40でも3か月で一流大学に入ることは可能なんです。ぜひそのヒントを本書でつかんでほしいと思います。  いい大人になったいま、「学歴がすべてではない」ことは重々知っている。しかしその半面、学歴は「あるにこしたことはない」のも事実だ。実際、倉山氏は「日本の大学は、真理真実を探究する本来の意味でのユニバーシティではないので、どこへ入っても同じ」と言いながら、「だからこそ、少しでも偏差値と知名度の高い大学に入ったほうがお得」と提案している。20年前とは様変わりしている受験について、一度じっくり向き合ういい機会なのかもしれない。 【倉山満】 1996年、中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程を修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、同大学で日本国憲法を教える。同時に2009年まで進学塾TOMASにて塾講師として食いつなぎ、「小学生から大学生までを教えて」現在に至る。2012年、コンテンツ配信サービス「倉山塾」を開講、翌年には「チャンネルくらら」を開局し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を展開している。主著にベストセラーになった「嘘だらけシリーズ」三部作『嘘だらけの日米近現代史』『嘘だらけの日中近現代史』『嘘だらけの日韓近現代史』(すべて小社)など 【松原好之】 1978年、大阪外国語大学(現大阪大学外国学部)英語学科卒業後、第3回すばる文学賞を受賞。1981年に友人と進学塾を設立する一方、河合塾にて国公立英語プロジェクトチーフとして活躍、現在も教壇に立つ。1998年には医系専門進学塾ビッグバンを設立し、以来、圧倒的な合格率を誇る。多数の参考書、問題集執筆のほか、大学試験問題、模擬試験問題なども作成、受験の裏表に知悉している。主著に『年収600万、子どもの偏差値40以上なら、医学部に入れなさい』(講談社)『9割とれる センター試験の逆算式勉強法』(KADOKAWA/中経出版)など <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/本多誠>
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