更新日:2018年05月11日 16:49
エンタメ

BABYMETALの源流には「国会のハマーン・カーン、三原じゅん子議員」がいた!

イニシャルもHR、HMの女性ヴォーカリストたち

 1982年10月には、本城未沙子がLOUDNESSの高崎プロデュース、そしてメンバーの演奏による1stアルバム『魔女伝説~Messiah’s Blessing』にてデビュー、翌83年4月に浜田麻里がLOUDNESSのリーダー樋口プロデュースの1stアルバム『Lunatic Doll~暗殺警告』にてデビューしている。  同じ年の83年9月には早瀬ルミナが1stアルバム『甘い暴力 VIOLENCE CAT ACT1』でデビューした。「ギャング・エイジが生んだカルチャー・パニック・アイドル! 15才のハードロック少女登場!!」というキャッチ・コピーから、アイドルとハードロックの融合が見てとれる。彼女は「アイドル・メタル」「KAWAIIメタル」の始祖的存在であると言えよう。  1984年10月には、浜田麻里に匹敵する歌唱力を持つ杉本誘里が、1stアルバム『ダイナマイト』で再デビューし、同年12月には橋本ミユキが1stアルバム『ワンナイト・エンジェル』でデビュー、そして翌1985年2月に早川めぐみが1stアルバム『秘密警察』を発表した。  本城三沙子と浜田麻里のイニシャルがHM(ヘヴィメタル)だったことからか、橋本ミユキと早川めぐみのイニシャルもHMとなっている。早瀬ルミナはHR(ハードロック)のイニシャルを持つ(名前のイニシャルをMとせず、Rであるのは、おそらく本名だからだと思われる)。

歌謡・メタル・エンジェル 早川めぐみ

 早川めぐみのアルバム『秘密警察』は、オリコンLPチャートで初登場50位という、ジャパメタとしては空前のヒット作となった。彼女には「歌謡・メタル・エンジェル めぐちゃん」というキャッチ・コピーがつけられており、ここから“歌謡メタル”という音楽性が見てとれる。驚くべきことに彼女はこの年(1985年)だけで合計5枚ものアルバム・ミニアルバムをリリースしている。恐るべし、“歌謡・メタル・エンジェル”早川めぐみ。

“歌謡・メタル・エンジェル”早川めぐみ『秘密警察』

 歌謡メタルとして楽曲の質を評価すれば、早川のアルバムの楽曲は、他の女性メタル・シンガーのそれと比べて極めて高いと言えるだろう。歌謡メタルは、彼女の登場で完成したと筆者は考えている。  歌謡クサさ、いわゆるクサメタルの代表バンドがX JAPANであることは論を俟たないが、早川めぐみに与えられた楽曲は、X JAPANの代表曲「紅」「Silent Jealousy」を凌駕するクサさだ。クサメタラーには、そのあまりのクサさ、ベタさに、悶絶していただきたい。逆に、洋楽メタラーは耳を塞ぎたくなるだろう。
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国会のハマーン・カーン、三原じゅん子議員もジャパメタだった!
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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