更新日:2018年05月11日 16:49
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BABYMETALの源流には「国会のハマーン・カーン、三原じゅん子議員」がいた!

国会のハマーン・カーン、三原じゅん子議員もジャパメタだった!

 現在、国会議員を務めている三原じゅん子も、1985年10月、JUNKO名義でアルバム『SO DEEP』を発表している。歌謡ロックから、ヘヴィメタルへの進出である。楽曲提供に、LOUDNESS、Earthshaker、44MAGNUM、そして後の筋肉少女帯の橘高文彦などが名を連ね、さらにギターを弾いているのは、後のB’zの松本孝弘である。

三原じゅん子議員が1985年にJUNKO名義で発表したアルバム『SO DEEP』

 余談だが、民主党政権当時、2013年12月5日の参議院本会議にて強烈な民主党批判を盛り込んだ彼女の演説は、『機動戦士Zガンダム』登場キャラクターのハマーン・カーンのようだと話題になった。何しろ、「民主党のみなさん、恥を知りなさい!」である。まるでハマーンの口調ではないか。
 ところで、『Zガンダム』にハマーン・カーンが初登場したのは10月12日放送の第32話「謎のモビルスーツ」からであるが、このアルバム『SO DEEP』リリース日は10月21日である。何と僅か9日の差でしかない。筆者はこのアルバムを、ハマーン・カーンのキャラクター・ソング・アルバムとして愛聴している。実際、三原じゅん子の歌唱は、担当声優の榊原良子以上にハマーン・カーンだった……(このように断言できるのは、ハマーンとキャラがモロ被りのOVA『バブルガムクライシス』登場キャラクターのシリア・スティングレイとしてのキャラ・ソングを聴いているから)。  そして冬に、当時悪役女子プロレスラーとして人気だったダンプ松本のミニアルバム『俗悪』がリリースされた。ただし同作にはヘヴィメタル以外の楽曲も収録されており、ヘヴィメタルの楽曲は44MAGNUMが作曲、ほか坂本龍一やムーンライダーズの白井良明など、楽曲提供者が豪華だった。  またこの年の8月、5人組ガールズ・メタル・バンドのSHOW-YAが、1stシングル「素敵にダンシング (Coke Is It)」でデビューしている。さらには、後にSHOW-YAのヴォーカルを務めることになるステファニーが、7月に2ndアルバム『HIDEAWAY』を発表、ステファニーは『うる星やつら』『トライアングルブルー』など、タイアップ曲に恵まれた。  80年代のジャパメタ・シーンには、魔女卵やFLYING VISION、RAJAS、JET MAYBEE、THE DATURA、Terra Rosaなどガールズ・バンド、女性ヴォーカル・バンドは多く見られ、メタラーにも支持された。こちらについては、また改めて、紹介したい。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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