「独身・無職・中年」の絶望。生活保護で命をつなぎ、家でネットを眺める日々…
「労働意欲はあるんですけど、病気のせいで規則正しい生活はできないし、雨の日は身体も動かなくて……」
一日中閉め切られたカーテン、モノが散乱し足の踏み場がなくなった床――。我々を招き入れてくれた自室でそう語るのは松本浩之さん(仮名・40歳)。無職歴は一年だ。重度の睡眠障害・不安障害を患い、現在は生活保護を受給中だという。そもそもの病の発端は「3.11」だった。
「当時、派遣社員としてコールセンターの仕事をしていました。当時のオフィスは高層ビルの45階。もともとうつ気味ではあったんですが、高層階特有の“嫌な揺れ”で完全に心が壊れてしまったんです。睡眠導入剤を飲んでごまかしながら働くも、出社すればトイレに駆け込み嘔吐する日々。そんな状態になって3か月後には契約が打ち切られ、クビになったんです」
転職から半年未満だったために失業保険の基準は満たせず、貯蓄はゼロ。むしろ親の借金を200万円肩代わりしている状況だった。
「生活保護か死ぬかの二択しかなかった。ケースワーカーさんに通帳を提示し、悲惨な状況を伝えたらなんとか給付が受理されました」
病状が落ち着くのを待ち、借金返済のため3年前に一度社会復帰を果たしたが、そのせいでさらに病状が悪化してしまう。
「前職と同じコールセンターですが、今回は苦情処理担当。客の第一声が『死ね!』なんて日常茶飯事です。この2年間のうちになんとか借金は返したんですが、最終的にはまた心が壊れてしまって……。大量の睡眠導入剤を飲んで自殺未遂。そこで契約が切られて生活保護に戻ったんです」
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