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松坂・鳥谷・斎藤佑樹の引退を横目に“まだまだ衰えない”現役アラフォー選手たち

“松坂世代”の最後の希望・和田毅は先発で奮闘

 今季引退を表明した松坂大輔と同学年、いわゆる“松坂世代”のプロ野球選手はこれまで94名が球界入りしてきたが、最後の生き残りとなったのが福岡ソフトバンクホークス・和田毅、40歳だ。  早稲田大学時代に東京六大学野球の奪三振記録を更新し、鳴り物入りでホークスに加入。球の出どころの見にくい独特の投球フォームから繰り出される直球と多彩な変化球で新人王に輝き、ホークス黄金時代のローテーションの一角として君臨した和田。メジャー帰り後は数年間怪我に苦しむものの、’19年からは再び安定した活躍をマーク。  今季も開幕ローテーション入りを果たすと、同世代の杉内俊哉が持つ交流戦最多勝利数に並ぶなど、年間を通してローテーションを守って5勝を挙げるなど最低限の役割を果たし、老け込む気配を感じさせない投球を見せた。  キビタ氏は和田について「年齢を考えたら頑張ったほうだと思います。ただ、イニングは大体5回がメドという感じで、スタミナについてはメッキリ落ちてしまったと言わざるを得ない」とコメント。  また、来季以降については「好不調のバロメーターになるのは“スピードガン表示以上に速く見えるストレート”。もしもこれが通用しなくなった場合は、現役としては厳しくなるのでは?」と推測した。  引退した松坂から世代の生き残りとして「投げ続けてほしい」という言葉をもらった和田。普段はクールな彼が「燃え尽きるまで頑張りたい」と熱く語っていただけに、来季へに懸ける思いもひとしおだが……。

オリックスの影の優勝請負人・能見篤史

 現在42歳となり、すっかり白髪頭がトレードマークになってきたのがオリックスバファローズに所属するサウスポー・能見篤史だ。 ’04年に阪神タイガースに自由獲得枠で入団すると、当初は伸び悩むものの’09年に13勝を挙げてブレイク。ポーカーフェイスから繰り出すキレのある直球と鋭く落ちるフォークを決め球にエースに成長。晩年になると中継ぎに定着し、’09年には51試合に登板するなどいぶし銀の活躍を見せた。  しかし、’20年は不調にあえぎ阪神から戦力構想外を告げられると、オリックスに投手兼任コーチとして移籍。今季は26試合の登板に留まるもののブルペンで若手を鼓舞し続け、自身も通算1500奪三振を達成した。何よりコーチとしてエース・山本由伸や今年台頭した宮城大弥にアドバイスを送る姿が印象的だった。 「コーチとしての役割はもちろん、平野佳寿が5月下旬にクローザーとして定着する前の苦しい時期に、能見がセーブを挙げる試合もあり貢献度も高かった」(キビタ氏)  来季についても「オリックスは左のリリーフ陣が現状やや手薄なのでショートリリーフであれば、まだまだ戦力になるでしょう」と予想。白髪頭のクールなベテラン・能見が短いイニングを淡々と仕留めていく姿は“必殺仕事人”さながら。来季もそんな姿を見られそうだ。
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糸井、石川もまだまだ元気
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