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松坂・鳥谷・斎藤佑樹の引退を横目に“まだまだ衰えない”現役アラフォー選手たち

スラッガー・佐藤からレギュラー奪取を狙う糸井嘉男

 続いては、“不惑”40歳を迎えた超人プレイヤー、阪神タイガースの糸井嘉男だ。 ’04年に北海道日本ハムファイターズに投手として入団するも、打者としての素質を見抜かれてわずか2年で外野手に転向。すると高い身体能力を生かしたダイナミックなプレーを披露。走攻守に優れた左打者として6年連続打率3割、20盗塁を達成。’16年には35歳2か月でNPB史上最年長盗塁王を獲得するなど、年齢を凌駕したまさしく“超人”っぷりを発揮した。  ところが今季は、ゴールデンルーキー・佐藤輝明の活躍や球団の若手起用の方針をあって、代打での起用が増加。最終的に打率.208、3本塁打というふがいない成績に終わった。  そんな糸井をキビタ氏は「肉体自体は現在もパッキパキに仕上がっていますが、技術面で衰えが出てきた印象。元々感覚で打つタイプなので代打のような一打席の勝負は合わないのかも」と指摘。  来季について聞くと「阪神の外野はかなり競争が激しいので、レギュラーに返り咲くにはキャンプやオープン戦でよほどアピールしないと厳しい。今回紹介するなかで一番引退に近いかもしれない」とやや辛辣なコメントも。  厳しい現実が立ちはだかっているが、糸井には“超人”の名に恥じぬように奇跡の復活をみせてほしいものだ。

名球会入りを狙う小さな大投手・石川雅規

 リーグ優勝を果たした東京ヤクルトスワローズに在籍する小柄なサウスポー・石川雅規は41歳。来季には42歳になる大ベテランだ。 ’02年、ヤクルトに自由獲得枠で入団するとルーキーながら決め球のシンカーを武器に巧みな投球術を発揮し、12勝をマークして新人王を獲得。コンスタントに活躍を続けて大卒投手としては異例の20年連続勝利を達成した。今季は、プロ入り20年目で初めて2軍スタートになるものの、4月に1軍復帰。勝ち運に恵まれない試合も多かったが、得意の粘りの投球で4勝を挙げた。  キビタ氏は「もはや“生きるレジェンド”。今季は9月までは内容も良く、ある程度手応えを得た登板もあったように思います。6月には5回を投げたところで降雨コールドとなり、6年ぶりの完投勝利を収める幸運もありました」としつつ、来季についてはこう指摘する。 「彼が目標に挙げている200勝まであと23勝。チームの戦力が充実しているうちにもう一度100イニング以上投げるくらいの復活を果たしたいところ。そのためには、大きな故障をしないことですかね」  と、200勝達成の可能性について論じた。名球会入りの条件となる200勝に向けて、小さな中年左腕・石川の挑戦は来季も続いていくだろう。
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バリバリ活躍するあの選手
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